「必死のパッチ」 | ピザ屋さんの悪態日誌

「必死のパッチ」

暑い日々が続いておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?


・・・とほぼ一年ぶりの更新なのに、何てありふれた挨拶なんでしょうか。(引き出しが少ないんです)


皆さん、こんばんは。久々の更新で、アメブロのログインパスワードを忘れてしまったピザ職人です。



さて、ピザ屋を辞めて早1年がたとうとしております。とは言っても、元々フランクな職場なので、


店に顔を出すこともしばしば。ですが、そんなに頻繁には行かないので、顔を出すたびに


「久々~」「元気~?」「いつからここに?」(新人さんとお話)という展開になります。



そんなある日の出来事です。(注 : 上記3行とはほとんど関係ありません。)


僕が夕方自宅近くのコンビニまで行くと、我がピザ屋のバイクが忙しそうに走っておいででした。


ですが、もはや他人事。「飲食業は大変ね~。」と思いながら、目を細めてピザ屋のバイクに


目線を送っていると、ピザを積むバイクのボックスに何やら張り紙が。また新しいキャンペーン


でも始めたのかなと思ったので気になりましたが、いくら視力1.5でも遠く離れしかも動いている物体


にある文字など読めるハズもありません。気になりながらも、その日は自宅に戻り翌日を迎えました。



そして夕方。たまたま家に帰る途中の道に、我がピザ屋のバイクが停まっていたのです。


「お、これはチャーンス」と思い、気になっていた張り紙を見ると、このような文字が書かれておりました。







「スタッフ急募!!」(何回目の急募や)







新しいピザのキャンペーンかと思いきや、毎度恒例の「スタッフ募集」です。


というのも、我がピザ屋は定期的に人手不足におちいる傾向にあるんですよ。


ひどい時なんか、僕を合わせてデリバリー3人という状況もありました。


毎日顔を合わせ、家族より長い時間を過ごすものですから、深いキズナで結ばれる・・・・



というわけでもなく、会話のない夫婦みたいな状況になりました。(全員疲労につき無口。)


とはいえ、この張り紙の効果が気になるところです。ただでさえ安い我がピザ屋の時給。


750円からとはなっていますが、結局オーナーのサジ加減一つで上限が決まります。(800円でストップ)


夢のない給料制度、オソマツな張り紙。これで果たして人がくるのかを確かめたくなったため、


一ヶ月ほど前にピザ屋に行ってきました。(確認したいためではなく、ヒマだったのです。)



店に着くと、オーナーがいたので早速話を聞いてみることに。すると、こんな返答がありました。






「アカン、サッパリや。」(そりゃサッパリでしょうよ)






ただでさえ人がこないのに、何のヒネリもない募集のかけ方ではダメでしょうヨ。


予想通りとは思いながらも、「他に手を打たないんですか?」と聞くと、どうやら打ったようです。



答えはカンタン。そう、時給アップです。よくある手ですが、そのアップの仕方を聞くと


ちゃんとヒネっていました。(何度目の正直とやらです。)


我がピザ屋は入れ替わりが激しく、スグ辞めたり週2しか働かなかったりするので、


シフトを作る時はスタッフから不満が飛び交うこともありました。ですので、今回は


働いた時間に応じて段階をもうけ、その段階を明確にすることで時給のあげ方をクリアにしようと


いう試みだそうです。(上限は900円と微妙ですが。)


ここで気になるのが、旧スタッフの動向です。彼らは長く働いているので、今までの働いた時間は


どうなるのかと聞いてみたところ、彼らはいきなり上限の900円にアップさせたそうな。


それにしても、ケチなオーナーが900円に時給を上げるとはビックリです。


「ようこれだけ思い切りましたねぇ」と僕が言ったところ、オーナーは



「そりゃこれくらいやらなアカンやろ。人がこんかったら話にならへんしな。


どうこういってられへんで、もうこっちも・・・・





必死のパッチやで」(パッチ??)





余談になりますが、この「必死のパッチ」という言葉、どうやら知っている人と知らない人が


いるようです。僕は以前働いていた職場の同僚に、「必死はわかるけど、パッチって何?」


と聞かれたので、声高にこう答えるのでした。






「パッチは遊び心や」(答えにならず)





わかってもらえなかったのは言うまでもありません。(皆さんはどうでしょうか?)


・・・話を戻します。(悪いクセです。)



いきなり上限まで時給を上げられさぞかしベテランスタッフはホクホクだろうと思っていたのですが、


もう上がらないというのも事実。そのモチベーションに疑問を感じます。


そう思い、ピザ屋を後にし自宅に戻ろうとした時、一台のピザ屋バイクを見かけました。


どうやら、チラシを配っているようです。近くを見渡すと、スタッフがいました。(ベテランです)


話かけずに遠目で「頑張ってるのかな」と見ていたのですが、どうやらそうでは無い模様。



そのスタッフの手には




パンが握られておりました。(買い食い中)




やはり無意味だった、時給ヒネリ。


どこまで予想通りなんだと思いながら、自宅に戻るのでした。(ダメだこりゃ)