虚を突く異文化 ~前編~ | ピザ屋さんの悪態日誌

虚を突く異文化 ~前編~

先日、後輩に 「僕、車買ったらマッスル仕様にするッス」 と言われ、どういった仕様なのか尋ねたところ、


「シート倒してそこにダンベルを置くんス。」 と言われ、とりあえず無視してみました。


皆さん、こんばんは。 夏になるとアタマがおかしい人が出てくるピザ屋勤務のピザ職人です。



さて、宅配業をやっていると、様々な特徴を持った苗字に出会います。


日本で一番多い苗字といえば、皆さん何を想像されますか?


せっかちなので、早速回答を。(待てない性格ですが、遅刻はしてしまいます。懺悔。)


答えは、佐藤さんと鈴木さんです。例外にもれず、我がピザ屋にもこの苗字のスタッフがいました。


さぞかし学校では屈辱だったでしょう。何せ、同じ苗字が多いので、


しっかりフルネームで呼ばれるのですから。(ちなみに僕はマイナーな苗字です)


ピザ屋でも苗字に関しては色々困惑することが多いのですが、例えば注文が多い時、


たまにお客さんから、追加の注文を受けたりするのです。こういわれます。


「あの~、先ほど電話した佐藤ですけど・・・・」 と。しかし不幸なことに、


大量に並べられた伝票には




三人の佐藤さんがいらっしゃるのです。

(たまに斉藤さんと間違えます。)




お願いですから、住所先に言ってください。「現在、佐藤だらけです」 なんて言えませんから。


とまぁ、色々と苗字トラブルがあるのです。しかし、苗字にだまされた事も多々あります。


これはずいぶん前の話ですが、少し忙しかったピザ屋で起こった出来事でした。(少々大げさ)


僕は配達を命じられ、オーナーから一枚の伝票を託されました。


伝票には、「吉田(仮名)」 と書かれていました。僕はそれに気にする事なく


配達に向かい、少し迷いながらもその吉田さんの自宅に到着しました。


表札にはしっかり 「吉田」 と書かれているのですが、何やら家の中から


怪しげな音楽が聞こえてきました。それはロックでもなくポップでもなく


ラテンを思わせる音楽なんですが、妙に違和感があるのです。


「もしかしたらコレ関係の人なのか?」 と萎縮しましたが、勇気を振り絞りチャイムを鳴らしました。


待つこと10秒少々、ガチャリとドアが開き、「吉田さん」と思わしき人物が出てきたのですが、




どう考えても日本人ではありませんでした。

(どこが「吉田」なのか教えて下さい・・・)




それはアメリカ人でもなくヨーロッパ方面の人でもなく明らかに中東の方でした。(ダルシムかも)


困りました。「おまたせしました。」 ともいえませんし、もはや英語が通用するのかもわかりません。


もう混乱した僕のアタマのなかには





「ナマステ」 「ヨガファイア」 の単語がグルグルと回っていました。




ダメだ、もう何も言えない・・・・。そう困っていると吉田さんは 「イクラ?」 と聞いてきました。(あっさり)


虚をつかれた僕はポカーンとしていたのですが、瞬時に理性を取り戻し、値段を言いました。


そして全ての商品を渡して、「ありがとうございました」 と言うと、僕は吉田さんに




「アニキ、アリガート。」(もうこないからね)





と、弟にも言われたことのない事を言われ、少し戸惑いましたが、気分よく帰店しました。


店に帰り、コレはネタになるぞーと思い、スタッフに先ほどの出来事を言ったところ、




「ああ、外人さんでしょ?結構注文ありますよ。」

(何で前もって言わんのや・・・・・・orz)




とあっさり返されました。(史上最大の屈辱でした)


ネタにもならない事をチャラチャラとしゃべってしまった事に後悔しながらも、


その日はとりあえず、もう苗字にはだまされまいと誓いました。



この話は少し続きます。次回もピザ屋ネタです。




外人のお客様、せめて心の準備をさせてください・・・・

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