ライダーへの道 ~障害編~ | ピザ屋さんの悪態日誌

ライダーへの道 ~障害編~

<今回は前回の続きですので、初めてご覧になる方はコチラ からどうぞ>



さて、ポスティング初日を向かえ、朝9時にピザ屋に着くように家をでました。


到着すると、ピザ屋の裏口と思われるところに5、6人ほど人がならんでいるのを見つけ、


「あ、この人たちもポスティングスタッフなのか。」 と思い、その方々を遠めで観察していると、


僕と同じ靴を履いた男性を見つけました。靴の名前はアシックスの 「GEL」。


履きやすい靴だったので愛用していたのですが、まさかここにも愛用者がいるとは世の中狭いものです。


色違いだったので、僕はジワジワと近寄り靴を見つめ、靴→ズボン→Tシャツの順に視線を上げ、


最後に顔を見ると、どうもどこかで見覚えが。・・・・・・・ハッ!(わかりました)




その男性はあのパンダ でした。

(またまた登場です)




振り返ってみると、どうもパンダとは腐れ縁のようが気がしてきました。 (気分悪いです。)


当時はあまり面識がなかったのですが、「なんかヤバイな、コイツは」 とは思ってました。


まぁ、知らない仲でもないわけですから、とりあえず話をしてみました。(以下、やりとり)


僕 : 「よう。自分もここでポスティングなん?」


パ : 「奇遇やな。まさにそうや。求人のチラシ見てきてん。」


僕 : 「そうか。バイトして何か買うんか?」


パ : 「そう、原付欲しくてな。ライブディオZXが欲しいねん。」


僕 : 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




「ぐぎぎぎぎぎぎぎ・・・」 (激しい歯ぎしり)




靴もカブリ動機までカブるとは屈辱以外の何者でもありません。(切腹したほうがマシでございます)


この時点で、僕がライブディオZX以外の選択肢を選ぶ事になったのは、言うまでもありません。


しかし、原付が欲しいという欲求は消える事はありませんでした。(もはや車種は問わなくなりました)


気を取り直して、ピザ屋の社員を待つ事にしました。


10分後、社員がやってきました。どうやら店長のようです。


挨拶を済ませ、仕事の説明を受け、あらかじめ用意されていたチラシがフロアに置かれました。


チラシは小型のボストンバックに入れられており、そのバックの上に紙の切れ端が置かれ


そこには 「1600」 「1200」 「800」 と書かれており、これはどうやらチラシの枚数のようです。


今になってわかるのですが、一時間にどれだけ頑張ってチラシを配っても120枚が限界です。


しかも結構体力を使い、さらに夏なのでしんどさは倍増です。


ちなみに120枚という数字は、十分に知り尽くしたエリアでのみ可能な話であって、


未知のエリアとなればそう簡単にはいきません。当時の配るエリアも僕の全く知らないところでした。


しかし、そのときの僕は若かったので、心の中でこう思っていました。




「フフン。2000枚くらいイケますよ。」 

(気温18度相当の涼しい顔で)




しかし多くても1600枚しか用意できないらしく、僕はそれでもいいかと思い


早速1600枚のボストンバックを手にしようと思ったのですが、店長から一言こういわれました。




「あ、君は800枚ね」

(Gacktを思わせる冷たい顔で)




僕は驚愕しました。800枚ということは一枚4円なので、一日にたった3200円しか稼げません。


理由がわかりました。僕の見た目がアンガールズ並みの貧弱さだったからです。(被害妄想)


コイツが1600枚も配れるハズがない。そう判断されたのでしょう。(こりゃ屈辱です)


しかし店長命令とあれば逆らうわけにもいかないので、従う事に。


そういうワケでいざ出陣。真夏のポスティングが始まりました。


想像以上にハードで、朝の10時から配り終わったのが夜の7時。


疲れ果てた顔で店に戻ると、店長がまた一言。




「遅かったね。みんなもう終わって帰ったよ。」

(まるで生ゴミを見るような目で)




そんな馬鹿な。なぜだか検討もつきません。そこで僕はその日を振り返ってみることにしました。


<以下、ピザ職人の四苦八苦>


・PM12:00 : ランチを選びにコンビニへ。色々な物に誘惑され小一時間程滞在。(自堕落)


・PM2:00 : 自販機にお住まいのコーラさんに呼ばれ、ロングバケーション。(自堕落)


・PM4:00 : 本屋にお住まいのジャンプさんに呼ばれ、楽しい世界にホームステイ。(自堕落)


・PM5:00 : 残ったチラシが大量。消化するためにBダッシュでポスティング。(四苦八苦)


<結論 : 四苦八苦ではなく自堕落>




検討がつきました。(あっさり)




その後、800枚以上配る事がなかったのは言うまでもありません。 (貧弱大臣に就任)


疲れきった顔していると、店長がお茶を入れてくださいました。


先ほどの冷たい発言とは打って変わって優しい表情だったので、これは何かあると思っていると


店長から 「いい忘れてたけど、このバイト土日限定やから平日はお休みやで。」 といわれました。


これは予想外。全く稼げないバイトではないですか!


しかし、他にバイトを探すのがメンドクサかったので、夏休みはこのポスティングをし続けました。


さて、一体いくら稼げたと思いますか?


では早速回答を。(待てない性格なもので)




3万円でした。(ポッキリ)




あれだけハードだったのに3万円とは・・・・。スクーターはおろか、パーツすら買えません。(大失敗)


そんなこんなで夏休みが終わり、自宅で悶々としていると電話がかかってきました。Mです。


「ちょっと遊ぼうや。」 と言われ、こちらに来てくれるとの事。なんだろうと思い、僕は待ちました。


おそらく10分後(記憶があいまいです)。 外からMの呼ぶ声がしたので、


とりあえずベランダに出てみると、な、なんと!




Mがスクーターに乗っているではありませんか!

(満天の笑顔で)




どうやら工場で10万ほど稼いだらしく、余裕で買えたのこと。(スクーターは中古でした。)


僕は机の上においてあった3万円をにらみつけながら


もう二度と婦女子の誘いにはのるまいと心に誓うのでした・・・・・。




その後パンダはそのピザ屋のデリバリーになったそうです。(2年後退職)

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